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永い沈黙の後
アツキが口をひらいた。
「ハルカ。ありがとう。オレもハルカが好きだ。」
「へ?」
驚いて顔を上げる。
アツキは私の髪をそっと撫でた。
「初めて会った日から好きだったんだ。
…でも…」
アツキは言葉をつまらせた。
続く言葉を待つ。
思いがけないアツキの告白に、舞い上がっていた私は
続く言葉も、自分のいい様に想像した。
「でも…オレ結婚して子供も居るんだ。」
「え?誰が?…悪い冗談やめてよねー」
笑いながら言う私を、何とも言えない表情で見る。
「冗談じゃないの?」
「ごめん…」
何言ってんの?
さっきアタシの事、好きだって言ったじゃない!
言いたい事は沢山あるのに、言葉にならない。
さっきまで舞い上がっていた自分が馬鹿みたいだ。
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