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アツキの腕にすっぽりと包まれて、他愛もない話しをする。 その時間が何より幸せだった。 身体を重ねている時よりも幸せで、満たされていた。 「幸せになれよ。」 いつもアツキは言った。 「アツキがいる限り無理だよ」 私が笑いながら、そう言うと 少し悲しげな顔をした。 それでも口癖のように「幸せになれよ」と言っていた。 私には 十分過ぎるくらいの幸せだった。
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