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「お兄ちゃんは生きているのに、なんで仏壇なんか。」
そう言った私に母は泣きながら話し出した。
「お兄ちゃんは死んだのよ…もう八年も前にね…」
私は理解する事が出来なかった。
「嘘だ…」
私は耳を塞いだ。
耳を塞いでも、まるで再現映像を観るように、封印されていた記憶が蘇ってきた。
迫る車!私を突き飛ばした兄の必死な顔。血だらけで微笑み、瞳を閉じた兄の顔。
「お兄ちゃん…」
私は泣いていた。
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