真実

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「お兄ちゃん…私を助けてくれたんだ。私のせいで死んだんだ!それしか言わなくなった梢を連れて、何件も病院をまわったのよ。」 その記憶は全くなかった私。 たどり着いたのは催眠療法だったらしい。 違う記憶を埋め込むという療法。 まだ子供だった私は兄が養子に行ったと信じていた。 よく考えてみれば、私は祖父母に会った事がない。 ただ遠い親戚の老夫婦が二組居て、夏休みになると出掛けて泊まったりはしていた。 その老夫婦達が祖父母だと聞かされた。 私の精神面をみんなが気遣い今日まで過ごして来たのだと…
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