Genocide

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「未成年犯罪率が、十年前の統計と比べて、およそ三倍にまで増加しています」 暗い一室には偉そうな髭を生やした者や、厚い眼鏡をかけた者。腕組みしている者たちがいた。 いずれの者たちも、威厳のある表情を浮かべている。 「やはり、再びターゲットを再開するべきではないか?」 「Target」………それもまた過去に行われていたゲーム。 「今日だけで、もう五件もの殺人事件…犯人はみんな未成年…」 あきれるようにして、一人が吐いた。 そして、他の誰かが言う。 「この犯罪率が将来の我が国に脅威をもたらすのは確実だ…やはり、決行だろう」 反対する者はいなかった。そして、全てをまとめるように一人が言う。 「では、未成年犯罪率低下のため」 あくまで「治安維持」は曲げない…そして言う。 「特別法003号、ジェノサイドを発令する」 賛成とも反対とも声は上がらず、その態度が「意義なし」と伝えていた。 もう、こうなることは決まっていた…準備もしてある。 軍事用の拳銃が数億丁、用意されていた。
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