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ついさっきの話だ。
政府の機密事項が掲載される極秘サイト。
新たに「ジェノサイド」という更新。
その詳細が書いてあった。簡単な内容だけだったがすぐに頭をよぎる。…地獄が繰り返される。
何を出来るわけでもない自分に苛立つが、今はもう昔とは違う。
基本的パソコン技術、あらゆる武道、多大な知識さえも頭に詰め込んだ…
ゆえに、あがこうとしているのだ。無に等しいかもしれないが、黙って事が始まるのを待つなんてできない。
「…」
軍事用トラックに運転手が戻った。
ブォォォォォ…
大きなエンジン音が三つ、重なるように鳴り響いた。ベンチに座る者はゆっくりと腰をあげる。
ダァンッッ
乾いた音が駐車場内に響いた。
「あ、パンクしてやがる!」
音が銃声とも知らず、一台のトラックの運転手が降りてきた。タイヤにはきれいに丸い穴が空いており、空気はあっという間に抜けていった。
春の風が、黒に身を包む者に吹いた。
静かに揺れる服。
彼の右手には拳銃があり、その銃口からはほのかに煙が出ていた。
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