・:*:雲タクシー:*:・

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    窓の外はどこまでも広がる青い空です。  モクモク浮かぶ白い雲が 時折、大好きなドーナツや、かっこいいロボットに見えました。   『 はぁぁ~… 』 ハルくんは涙を目の端に浮かべ 病室の窓から外を眺めながら また一つ、大きな溜め息をはき出しました (いいなぁ…。僕も外でいっぱい遊びたいなぁ…)  そう、思いながらギュッと目を瞑りました。 涙が溢れそうだったからです  ハルくんはとっても難しい病気で入院しています。 たった、二歳の体で 毎日、苦い薬や点滴を頑張っていました  けど、今はチョッピリ泣きたい気分…  もう何日も病室の外から出ていないのでした  ハルくんは目を開けて もう一度、窓の外を見ました  入院している病院は高い山の上にあり、その窓からはとっても遠くまで見渡す事ができました。  家も、車も小さく見えて まるで、大好きなミニカーの様でした  それらを見ながら、ハルくんはまた悲しくなって、フゥ~っと溜め息を付いた…その時です!   『ピュゥゥ~!!!』  と…凄い風が吹いて思わず目をきつく閉じ、手で顔を覆いました ・
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