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ゆっくり目を開けて…
またまたビックリ!!!!
だって、目の前には車の形をした雲が、こちらを見ているのですから…。
しかも、その雲には目と口までついています
ポカンと口を空けたままのハルくんに その雲は言いました
『お待たせしました雲タクシーです』
(タクシーなんて呼んでないのになっ…ボクッ…
しかも雲のタクシーなんて!!)
そう思いながらも、あまりのビックリに
うまく、声が出てきません
黙ったままのハルくんに
雲タクシーは続けて言ます
『運賃は近くなら“飴玉2つ”
遠くなら“飴玉5つ”
お客様の行きたい所なら何処までもっ!』
そう言って雲タクシーは
ニィ~ッと笑いました。
目を擦りながらも雲タクシーの笑顔にツイツイつられて
気付けばハルくんもニィ~ッと笑い返していました
笑いながらハルくんは雲タクシーが言った事を心の中で繰り返します
(近くなら飴玉2つ!遠くなら飴玉5つ!
飴玉でタクシーに乗れるなんて …凄いよねっ!)
そう考えるうちに段々ほこほこポカポカ頬が熱くなり
胸の奥がりんりんウズウズ鳴っているのがわかりました
気付くとハルくんはテーブルの上に置いてあった
飴玉のいっぱい入った袋を握り締め、夢中で窓の外に飛び出していたのです
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