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ぼわん、ぼわん、
ぼわわわわぁ~ん!!!
雲タクシーはふかふか温かで
ほんわか、お日様の匂いがしました。
「運賃は前払いです!どちらまで?」
ウットリしているハルくんを乗せて、雲タクシーは言いました。
「えっと……丘の、丘の向こうまで!」
ハルくんは急いで袋から飴玉を2つ取り出すと、
『入れてくれ』
と言わんばかりに 大きく開かれた 雲タクシーの口の中へと飴玉を放り込みました。
モグモグ・もごもご
口の中で飴の味を楽しむかの様に転がした後、
雲タクシーは大きな声で叫びました。
「出発ぅ~! 丘の向こう!」
その声を合図に
びゅん・びゅん・びゅびゅ~ん
雲タクシーは走り出します。
さっきまで、病室の窓から眺めていた
“ドーナツ”や“ロボット”の雲の間を雲タクシーは滑るように進んで行きます。
思っていたより、速く走るので、ハルくんは落ちないようにぎゅっと雲タクシーの体を掴む手に力を込めます。
雲タクシーは ちょっと痛そうな顔をしていました。
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