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途中、空飛ぶ鳥の群れにぶつかりそうになりながらも
雲タクシーはなおも走ります
びゅんびゅん、びゅんびゅん
風と一緒に飛びながら、ハルくんの頭の中にふと不思議が浮かびました。
「いつもは、どんなお客さんを乗せるの?」
ハルくんが不思議に思った事をそのまま尋ねると
雲タクシーは『うぅ~ん』と小さく唸りながらも、話し出しました。
「そうですねぇ…。呼ばれればどなたでも乗せますがぁ…
特に多いのは雷様の親子ですかね?」
「かみなりさま?」
ハルくんは驚きながらも、
片手でオヘソを隠す事を忘れずに、雲タクシーに聞き返しました。
「はいっ。雷様のお子さんが、たまに寝坊をして『雷学校』に遅れるんですよ…。
それを、送るのです」
「『雷学校』なんてあるの?」
ハルくんは目をいっぱいに見開いて雲タクシーに聞き返しました。
「あら…ご存知無いですか?
立派な雷様になるためには、人間の子供達と同じで、学校で勉強をするのですがぁ~…
その雷様のお子さんはあまりに遅刻が多いので、雷母さんに叱られるのです」
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