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「怒るの?僕のママと一緒だぁ」
「お母さんが子供を叱るのは、愛情がないとできないんですよ?
それより!雷母さんが怒ると…もう、大変なんですっ!!!」
雲タクシーは眉を寄せながら声を張り上げて言いました。
「雷の子供は泣いて、大粒の雨が地上に降るし…
雷母さんは怒って雷が落ちる!!
それは、もう大変な大嵐になるのです」
「そうだったんだぁ…
それは、大変だね!ボクも雷はチョット苦手だなっ…」
ハルくんはそう呟くと、
オヘソを抑えていた手を少しだけずらし、
自分のオヘソがあるかどうか確認しました。
ちゃんとあるのを確かめて、ハルくんは続けます。
「じやぁ…どうして冬は雪が降るのぉ?」
雲タクシーは、あまりにもハルくんが、目をキラキラさせて
そう、聞いてくるので少し得意になりながら話し始めます。
「地上が寒い冬の時、雲の世界では“花の季節”なんです!
満開に咲く花ビラをつけた
『雪の樹』はそれは、それは…もう見事なものです。」
雲タクシーは“ほぉぅ”と溜め息を洩らしながら目を細めて言いました。
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