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嫌そうな心境を隠そうともせず、顔に出すりょーちん。
相手が先輩じゃなかったら「コイツ面倒臭ぇ」とか言いそう。
「ジャンケンでいいですか?」
カカシ先生ですね。いいあしらい方だ。
「ふざけるなよ……!」
ふざけてなんかいない。
それなりの付き合いだからこそ分かるが、我が親友殿の目は大まじめである。
「ただいまー……あれ?」
一方的な一触即発の空気が流れる中、一人の少女が帰ってきた。
りょーちんの双子の妹、与那嶺美咲(ヨナミネ・ミサキ)ちゃんだ。
さっきから気怠げな表情のりょーちんという兄に対し、彼女は正反対。
いつもニコニコ笑顔、困った時もどこか笑顔、大抵の奴はそれ以外見たことないんじゃないだろうか。
「美咲ちゃんっ!」
と、ここで斎藤先輩がとんでもない反応速度で振り返った。……なるほど、大体読めた。
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