おばけのはなし

はじめに

　私は妖怪が好きだ。好きが高じて、今や大学の勉強より妖怪の勉強をしている時間の方が多い。それくらい、妖怪が好きだ。
　妖怪に止どまらず、幽霊の話なども好んで読む。妖怪や幽霊の話であれば、一昼夜話してもまだ飽きないだろう。とにかく、怖い話が好きなのだ。
　だからかどうかは知らないが、私自身、たまに奇怪な出来事に遭う事がある。霊感の類は残念ながら持っていない為、その姿をはっきりと目視する事は少ないし、彼らが何を思って私の前に現われたのかも解らない。解らないが、これだけは言える。彼らは、確かにいるのだ。

　私は私の前に現われた彼らが、幽霊なのか、それとも妖怪なのかも知り得ない。なので、どちらにも使えそうな「おばけ」という呼称を使う。
　これから書くのは、そんなおばけ達との交流である。