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「了解、船長。航法管制シンクロー、あと2時間で制動噴射開始、噴射推力を0.3Gで30分行います」
「船長、ただの反射鏡がレーダーに映らないナンて有り得ないぜ………説明出来んのかよ?」
「木星のコロニーでは反射率ほぼ100%の屈折コーティングが開発されてる………角度によっては複合レーダー波さえ発信源に返さないそうだぞ?」
「そんな………だって実用前だろうが」
「あなたの妄想に船長を巻き込んじゃだめだ」
「オカマ野郎め………!」
《おい、ダッチマンまであと50メートルを切りそうだぞ。回避しないのか船長?》
「どうだろうな、必要かセルゲイ?」
「反射鏡なら重くて30キロくらいでしょうし、船体管制はもう秒読みと同調してますからね………やり直しの手間はいらないでしょう」
「だそうだジョンソン、デブリは船体へ当たるにまかせる。はやく帰って来て警報システムを修理してくれ」
《そろそろポンコツだからなあ、ダッチマンも》
結局それらしい問題が見当たらないことに安心した4人は、漂流物など忘れて地球帰還の準備にもどることになった。
ジョンソンは船に戻る途中それなりに珍しい訪問客が気になり、漂流物のごく間近まで近づいて製造標識を確かめようとして接近した時、妙な現象に襲われた。
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