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まったく面識のないお爺さん。
何処にでも居そうなお爺さん。
その老人が笑顔で手招きをしていた。
お婆さんは、促されるままお爺さんに近づく。
『さぁ、お座り下さい』
お爺さんは空席に掌を向け、優しく語りかけた。
お婆さんは有り難く思ったが、同じ老人としてお爺さんを気遣う。
『有難う御座います。ですが私は足腰もシャンとしているので大丈夫ですよ』
そうお婆さんが遠慮して言うのを笑顔で聞いていたお爺さん。
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