愛実の詩

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「投稿」と書かれたボタンを押すだけで直ぐに私の詩は掲載される。 たった一つ稚拙な詩を送り込んだだけだと言うのに、とんでも無い事をしてしまったような後悔で私は酷く狼狽え動揺していた。 「嗚呼、嘘がバレて非難されたらどうしよう」 端から見ればさぞ愚かに映る事だろう。 夕食を取る事さえ忘れ、携帯をにぎりしめながら悶々と頭を抱えてはため息をつく。 一人で憂い悶々と頭を抱えているうちに、時計の針は既に深夜零時を回っていた。 私はアパートの部屋に戻ってから、四時間近くもただただこうして延々と携帯だけに向き合っていた事になるのだ。
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