生きる灯

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『愛実さんの言葉って、何だかとても優しくて安心させてくれる』 『愛実さんって、きっとこの詩みたいに可愛い人なんでしょうね』 『わぁ~♪何だか凄く癒されます』 愛実の本棚にポツンと掲載されたたった一つだけの短い詩。 そこには閲覧者の名前が連なり、顔が赤らむ程の賛美のメッセージがズラーッと並んでいた。 「えっ?嘘…嘘でしょ? ええーーーっ??」 素敵…可愛い…癒される 和む…救われる…励まされる…元気を貰った。 何度も何度も、そこに書き込まれた言葉を目で追っては繰り返し一人呟く。 「癒される……可愛い……」 これまで、面と向かってこの私に『可愛い』なんて言ってくれた人が居たであろうか。 私の言葉で『癒された』なんて言ってくれた人が居たであろうか。 その一つ一つを噛み締めるように携帯画面に指を這わせ、私は時を忘れる程にメッセージを読み耽った。
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