あなたの声を聞かせて

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それからと言うもの、小さな丸テーブルの上で毎晩携帯に向き合い、私は一心不乱に言葉を綴った。 永久に夜の闇が続けばいいのに。 朝なんてやって来なければいいのに。 書いても書いても、書き尽くせぬ程に言葉が溢れ出て来て止まらない。 『私は愛実…… 生れつき身体が弱くてあまり外には出られないの 流行りの洋服も、流行りの音楽もあまり知らない 1番の楽しみは大好きなケーキを焼く事かな お友達が一杯お見舞いに来てくれるから、みんなに振る舞うの 美味しい! って食べてくれる顔を眺めるのが私の1番の幸せ あげたいな みんなにも愛実のケーキあげたいな あなたの愛が実りますように †愛実† 』
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