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年齢なんて幾らでも偽れる筈だ。
誰も自分の事なんて知り得はしないのだもの。
私はペンネームを佐々木信子と言うありきたりな名前から『愛実』と変えて、年齢を二十五歳に設定した。
所詮、全てが偽りの世界に決まっている。どうせなら思い切って全く別の自分に成り切ってやろう。
それにしてもたかだか虚偽の年齢を入力するだけで、何故こんなに後ろめたく感じるものなのだろう。
直ぐに嘘がバレて非難されはしないだろうか。
せめて三十歳位にしとこうか…三十五歳程が妥当かも知れない。
いや…これでいいんだ。まるで現実から掛け離れた虚像だからこそ、存分に鬱憤を晴らす事が出来ると言うもの。
私は、別にこのサイトで皆を唸らせるような小説を書きたい訳では無い。
この沸々と沸き上がるよな孤独や焦り、言葉にならない心の渇きを誰かに分かって欲しいだけなのだ。
「どうせ皆嘘っぱちだ…」
そう吹っ切った途端に迷いは一気に消え失せた。
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