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彼女は僕の顔を覗き込み、微笑する。彼女の透き通るような白い肌が見えた。
「またね。バイバイ」
僕はそんな彼女と目を合わせると、彼女は机の上から降り、小走りで教室から出て行ってしまった。
……誰だろう。
疑問に思いながら、僕は彼女が出て行った教室のドアをぼんやりと見つめる。
ぼーっとしている事に気づき、僕はエナメルバッグを机に乗せ、椅子に座り、教科書を机に仕舞う作業を始めた。
一時間も経つと、この教室は人で賑わう。クラスメートが集まり、輪になって談笑を始めるグループが出来上がる。
僕は、一人、窓の外に寝転がる赤い猫をなにとなくただ無意識に眺めていた。
友達なんか要らない。
僕は独りでぼんやりと生きていくのが好きなんだ。
なあ、赤い猫
死んだら、楽しいかな?
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