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「あまり好きではないんだけどね。こういう脅し紛いな武器の使い方は」
Hは独り言のように呟きながら、電源の入ったスタンガンをまじまじと見つめる。
俺は黙り込み、Hを見つめる。
「見ての通り、このスタンガンには高圧電流が流れている。少しでも触れたら即死してしまう程の、改造された殺人兵器だ」
「地面は水を含んだ芝生。そこにこいつを投下すれば……範囲内に位置するキミは電流が心臓、肺、至る所の臓器を死滅させ、気化された血が赤煙となり、口から放出され、死ぬ」
こいつ、俺を殺すつもりで……ここに呼び出したのか?
一体、何の目的で……。
「H、お前……何が目的だ」
「次、一歩でも下がったら投下する」
どき。
バレた。
「最初に話した通りだよ」
「僕の『依頼』をこなしていただきたい」
まるで悪党のような薄気味悪いニヤニヤした表情を見せるH。
……俺は一体、なんて事に巻き込まれてしまったんだ。
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