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僕は学校が嫌いだ。
毎朝毎朝人が大量に詰まった電車に乗り、窮屈な思いをしてまで来るような場所ではないと思う。
楽しくない。
ただ時計の針のように。クソ真面目に同じ日々を送り続ける僕。黒板の文字をノートに移す作業を、ただひたすら。阿呆のように繰り返す。
僕の今から向かう学校には親しい友人は居ない。話す人が居ない。楽しいはずがない。つまらない。
生きるのが、面倒臭い。
けど、死にたくはない。
どうすれば、この無理難題を解く事が出来るのだろうか。
……ああ、また一日が始まる。
そんな事を考えながら、僕は朝一番乗りで教室のドアを開け、中に入る。
すると、朝日の照らす教室に女の子が居る事に気がついた。僕の机に座る髪の白い少女は、窓の外をじっと見つめている。
クラスメートじゃない。
見知らぬ少女。
「また一つ、未知を知る者が現れたわ」
窓の先を見つめながら、独り言を呟き始める少女。
なんだこいつ。
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