プロローグ

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「でも…麗花さん、母親って感じしないんだよな」 目の前のこの女性。 大きな瞳が特徴的で、頬は柔らかそうにぷっくりしていて、全体的に細身の体つき。 ほやほやした雰囲気。 そしてこの仕草。 それらを全てひっくるめ、どこか幼い。 だが歳は今年で二十九。 それでいて優の母親であったり、かなりたくましいお方だ。 そして事実上、この女性は“結城の母親の立場”にあたるのだ。 「でもじゃなーい! 朝ごはん抜きにするよ?」 やはり、こういう時でも幼さを感じる。 「それは困るけど…でもやっぱだめだ…まだ、自分の中で完全にわりきれてないんだ」 そう言って結城は、申し訳なさそうに頭を下げる。 「……そう。じゃあ気長に待ってるね! 朝ごはん抜きは、特別にチャラにしてあげるぅ!」
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