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結城は気づいていた。
麗花は気丈に振る舞ってはいるものの、本当はお母さんと呼ばれるのを心待にしている。
いつも待っている。
悪いとは思いつつも、まだ呼べそうになかった…。
「今日も、優の部屋に行ったの?」
「ぶふっ!?」
結城が味噌汁をすすっていると、唐突にそんなことを言う麗花。
結城は、危うく味噌汁を吹き出しそうになった。
「…何故にそのことを?」
焦りの色を隠せない結城。
しかし、別に変なことをしているわけではない。
味噌汁を飲み干し、飽くまで冷静に振る舞う。
相に変わらず、味噌汁は絶品級だ。
思わず唸ってしまいそうだ。
「前々から気づいてるよー。なんたって結城ちゃんのお母さんなんだから。
なんでも知ってるつもりだよ?」
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