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「にしても。毎度の事ながら、この“30分繰り上げ登校”は堪えるよなぁ。それに、このバッジも…俺、コレのせいで寝たの3時だぜ?マジ勘弁だわ」
胸元に光るバッジを指しながら、欠伸をかみ殺す駿介。
年に数回しか使わないそれを、駿介はいつも前日の夜中近くになってから探し始める。
ホント、こういう点においては学習能力がないバカだ。
まぁでも…俺もこの“繰り上げ登校”は正直止めてほしいと思う。
俺めちゃめちゃ朝が弱いんだよ(泣)
俺達3人が通っている【私立鳳陽学園 (ホウヨウ)】は中高一貫の男子校で、10年程前から高等部は全寮制に、中等部は一部寮制になった。
学園自体の創立は古いが、校舎や設備は整っていてかなり快適な生活を送っている。
校則や寮則は、基本的に緩いが“式典日は30分繰り上げ登校し、必ず校章バッジをつける”というおかしな校則だけは、守らないとかなり重いペナルティがある。
「眠いのは自分のせいだろーが。バカ駿介。あ、芳。先に行ってクラス表見といてくれる?俺達、ちょっとよる所あるから」
「ん、いーよ!じゃあ、直で講堂に来る?」
「うん。いつもの所に座っといて?」
「了解!じゃっ後でね!」
今年は何クラスなんだろう?
また3人一緒だと良いな。
そんな事を考えながら、俺は掲示板へと急いだ。
衝撃的な再会が待っているとも知らずに……。
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