雨の先

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大泣きしながら、家まで帰って、家について、部屋について、約40分くらいは、ずっと泣いていた。昭仁たちは、起きていたが、何一つ言わず、静かにいてくれた。 悲しみは、何時かは晴れる。嵐も過ぎれば、晴れになる。 ただ、私は、恵まれていなかった。誰一人、私の気持ちを分かることが、出来ない。 何もかも、気持ちを押さえるつもりだ。 あたしと貴の付き合いは、台風のようだった。付き合い始めた頃は、台風のくるまえの晴れ。両親に話して、駄目と言われて、オーストラリアに行かされた頃が、前半の大雨。帰ってからの数日間は、台風の目の中。そして、昨日から、今日が、目を過ぎた大雨。 そして、私が、2度目に泣く日は、この日から、そう遠くない未来でした。
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