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「………………」
「……?……」
何をしているのだろう?学校への道のりの途中、傘をくるくると回しその場に足を止めている女の子がいた。学生服を着ているようだから多分、俺の行く学校と同じなのだろうけど、不自然だ。
「すいません」
「?」
俺の声に振り向く彼女。身長はそれほど高くなく、肩甲骨まで伸びた日本人特有の艶やかな黒髪に、ほとんど陽に触れた事のないのかと思う程透き通るような白い肌、ほっそりとした両腕にスカートからスラリと伸びる肢体、そして人形のように整ったあどけない顔立ちの少女であった。
「神之陽高校の方ですか?」
「……そうですけど……」
一拍置いて彼女はそう答えた。
「それなら高校までの道のりを教えてくれませんか?俺はあまりこの町の地理には詳しくないので」
「はぁ……分かりました」
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