第一章

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ホワンホワンホワン……(妄想が収縮するBGM)。 「はぁ…………」 結局彼女には話し掛けられず、無事に学校には着いたものの、思わず溜息が漏れた。 どうしてあの時彼女と一緒に行かなかったのか。あんなに可愛いかったのに…… 頭では話せと分かっていたのに自分の口から出た言葉は、逃げの一言もなし。あまりにも自分の不甲斐なさにがっくりと肩を落とした。何も変わってない。 「君はこの教室だから。ほら、そんなに緊張しないで、笑顔笑顔」 しかし、話は変わり、笑顔が眩しい柳瀬 癒乃(ヤナセ ユノ)先生から自分がこれから学ぶ教室を教えてもらい、現在進行刑で心臓が飛び出しそうな程緊張している。 最初が肝心。最初が肝心。 「ほらー静かにー」 先生がドアを開き、当たり前だが躊躇う事なく教室に足を踏み入れた。 「今日は転校生が来てるからー」 俺は覚悟を決め、先生に続くように教室へ足を踏み入れた。  
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