第一章

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何とか事故もなく一通り自己紹介を終えた俺は一番後ろの窓際の席に着く事が決まった。 そして休み時間になり宿命なのかそうなのかクラスの人達から雨霰の如く質問攻めに合ってしまう。 逃げたい気分で一杯だがそんな事が許されるはずもなかった。まず逃げ場がない(包囲されている)し、どこが逃げれる場所かも分からないからだ。 「ねぇ何部入るの?」「名前なんて呼べばいい?」「俺の名前は真壁 篤(マカベ アツシ)。よろしく」「カッコイイね」「アドレス教えて」「なぁ数学教えてくれ」「家どこなん?」「あとで学校案内してやろうか?」「俺と付き合ってくれ」 四方八方から飛んでくる質問に苦戦しつつも一つ一つ答える事にする。 「まだ決めてないよ」「水城でも市晴でもどちらでもいいよ」「こちらこそ」「ありがとう」「後でね」「分かる範囲なら」「ここから十分程歩いた先にある小さなアパートだよ」「よろしくお願いします」「それは精神的にきついなぁ」  
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