17457人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうですか。残念でしたね。私にはその気は一切ありません。」
そう冷たく言い放った私の頬に彼の指が触れようとした。
パシン!
「気安く触らないでください。セクハラです。」
「ふっ・・・随分、手荒な歓迎だな。君にその気がなくても、絶対に振り向かせてみせるよ。」
余裕の笑みを見せる神田部長が気に食わない。
「失礼します。」
私は一礼をして部屋を後にした。
ガチャ・・・バタン!
優男が・・・。
一方、神田は・・・
「ふぅ・・・なかなか骨が折れそうだ。」
―――
デスクに戻ると、メモが沢山貼られていた。折り返しの電話が必要なものに、電話をかけ直し、それを終えると、今度はメールのチェックをして返信をしていく。それが終わり、自分の腕時計に目をやると、もう11時をまわっていた。
あぁ・・・お腹空いた・・・。
「天海さん」
「何?」
「これ回ってきたんでお願いします。」
「ん」
差し出された書類に目を通した。
「山田君・・・。」
「はい?」
回ってきたのは社内旅行のご案内。出席、または欠席を書き込んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!