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山の頂に着くと、
数台の車が停めてあり、仲よさそうに、車の中や、外のベンチに腰掛けて話すカップル達がいた。咲は車を停めて、外に出て遼太郎と夜景を眺めた…。
『いつ来ても綺麗…。』そう言って、遼太郎の顔を見た。
『ほんとだね…。』
秋のはじめ山の頂。
少し寒い位だった。
『車に戻ろっか。』
咲はまた、運転席に戻っていった…。
遼太郎も後に続いて助手席に着いた。
(なんて切り出そう…。)さっきからずっと頭の中はこればかり…。
遼太郎は、鈍感なのか、いつもとまったく変わらない…。
『あのさ、話があるんだけど…。』
『うん。昨日電話でもそう言ってたよねぇ。』
咲が今から話す事など、全然気付いてない様子…。
(私、こういうのガラじゃないんだけど…。)
『あのさぁ、私が何を言いたいのか、わかるでしょ?』
『えぇ~っ!わからないよ…。そんな…。』
(たのむから、わかってちょうだいよ…。)
咲は、緊張と恥ずかしさで、居ても立ってもいられなくなり、なんだかバタバタと落ち着きのない無駄な動きをしてしまうのだった…。
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