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『ごめんね。変な事言って…。ほんとは、たぶん無理な事ってわかってたんだけど、どうしても、どうしても、この想いが抑えきれなくて…。』
『いや、気にしないで…。』
遼太郎のいつにも増してのやさしい気遣いが、咲だけに対してのものである事が嬉しくも、悲しくもあった…。
『帰ろっか?』
『そうだね。運転かわろっか?』
『ううん…、いい。運転してる方が気がまぎれるから…。』
咲は、来た道をまた戻る為、シフトレバーを動かした…。
帰り道 ふと咲は聞いてみたくなった、
『全然気づかなかった?私の気持ち…。』
遼太郎は、すまなさそうに笑いながら、
『全然わからなかったよ…。』
(私の今日までの胸を焦がした想いは、いったい何だったのよ…。)
と悲しさと腹立たしさが入り混じったなんとも言い難い気持ちになった…。
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