第一章

5/5
3784人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
 大きく、ため息をついて、腕組みをしている芹沢さん。 「ヒントは先週の金曜日」  考え込んだ私を見ながら言った。  先週の金曜日、何かあったかな? ー確か、先週の金曜日はすごく久しぶりに、芹沢さんに会ったんだ、本当に久しぶりにーーー   学校のある日のバイトは、学校が終わり次第で、今日みたいに、5時過ぎる時は、マスターにちゃんと言っておくことになっている。 この喫茶店は、どちらかと言うと、サラリーマンやOLさんが多く、5時過ぎぐらいから忙しくなるから、それまでに来てくれたら、いいって言われてた。  それでも、私は部活に入ってる訳でもなかったからいつも帰ってすぐ着替えて、バイトに行ってた。  もちろん、お客さんはほとんど居なくて、いつも芹沢さんがカウンターでマスターと話しながら珈琲を飲んでて…。私も、学校のことを話したりしてた。そして、5時少し前になったら帰って行くんだ。  いつ頃からかは、分からないけど、OLさんが多く来るようになったんだ。 「真琴くん」って絶対男だと思われてるけど、私は別に嫌だとか思ったことも無いけど。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!