第2章

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 そんな思いもやっぱり終わりがくる訳で…。  春休み前日の終業式の日、バイトまで時間あるし、一旦着替えに帰ってクラスメートと遊んでたんだ。  何故かプリクラ撮りたいとかで、女の子に囲まれて大変だったけど、ゲーセン行ったりとか、放課後遊ぶのは久しぶりですごく楽しかった。  みんなと別れてからぶらぶらしながらバイト先に向かって歩いてた。  通りの向こうに芹沢さんの姿が見えて、声を掛けそうになってやめた。  ビジネススーツを着た、すごく綺麗な人と歩いてた…。髪が長くて、背もずっと小さくて、スタイルのいい人だった。  笑顔で話ながら歩いてる様子はやっぱりお似合いの恋人同士で…。  私が失恋した瞬間だったんだ…。  その日からずっと、芹沢さんとは会って無い。バイトで会わない様にしてたんだ。もともと、他に接点なんて無かったから、バイトの時間をずらしただけで、会わなくて済む関係。もともと、芹沢さんのこと何も知らなかったんだ。  勝手に好きになって勝手に失恋した。  会えば辛くなる。 笑える自身なんてないから。会わない。そう決めた。
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