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ボーッと紫煙のくゆる煙草を見つめていると、不意に絹を裂くような女性の悲鳴がこだました。
雄介は久しぶりに悲鳴を耳にした気が付きするが、空腹と精神的、肉体的な極度の疲労からか、あまり気にする様子は示さなかった。
しかも、地震が起こってからというもの、法が崩壊したのを良いことに恐喝、窃盗、強姦、はたまた殺人まで犯す輩が出てきたのである。
またその類だと思もったのだろう。
自分の身を守るので精一杯。他人を助ける余裕など持ち合わせていなかった。
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