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無気力に煙草を口にする雄介の元に一人の男性が近付く。
重々しく顔を上げ、その方を見ると自分の目を疑った。
すぐそこまで迫った男性は、どす黒い血に染まった服に死んだ魚のように濁った目、片腕は無く、腸は露出し、口には何かをくわえている。
腕だ。それも鮮血したたる女性のもの。
「何を……」
身の危険を感じ、煙草を投げ捨てると鉄パイプを握り、立ち上がる。
男はくわえた腕をボトリと落とすと、餌を前にした飢えた獣のように雄介へと襲い掛かった。
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