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グリュート
『だからこそ余計に変な虫が付かないようにと気をつけているというのにウチのバカ兵士供ときたら鼻の下をだらしなく延ばしてそんな汚れた目でルナを見て汚すなってんだルナを見ていい男は俺だけだ(中略)嗚呼畜生何でルナはあんなに可愛いんだ嫁なんかに絶対やりたくない一生俺の側で(中略だよ)どんなイケメン王子が来ようが(中略だってば!)もう何があっても(以下略)!!!!』
ページを跨いでの脅威の文字数だった。
文章ではかなりはしょっているが実際は話し始めてから小一時間程経とうとしていた。
無論、その間グリュートはずっと喋りっ放しである。
レイジはただ呆然と聞き流し(勿論話の内容の3割も覚えていない)レイジの隣りのヒリエは慣れたものらしく適当に相槌を打ってやはり右から左へと聞き流していた。
『お父様、お話が長過ぎましてよ。』
と、グリュートの話が終わるタイミングに合わせたように玉座の裏から軽やかな声がグリュートにかけられる。
その声が聞き覚えのある事をレイジは思い出す。
魔人を倒した時に側にいた少女のものと同じである事に。
やがて玉座の裏から一人の少女が姿を表す。
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