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レイジ
(危ない危ない。)
万が一グリュートが言っていたバカ兵士達みたいな視線をルナに送ったらどうなるかを思い、すんでの所で立ち止まる。
あの親バカっぷりからするとただではすまないだろう。
グリュート
『まぁそれでだな。
ルナを助けて貰った事もあるし何よりルナ自身がお前さんに褒美をとらせたいらしい。』
グリュートがルナからは見えないようにレイジに向かって目をギランと光らせる。
その目が言外に『まさかルナの褒美を断ったりしねぇだろうな!ああん!?』と言っている。
あまりの眼光の鋭さにレイジは金縛りにあったように身を竦ませ首をかっくんかっくんと縦に揺らすので精一杯だ。
建国の英雄の睨みは半端じゃないらしい。
ルナ
『お父様の言う通りですわ。
私、ルナ・レイダーを救って下さった御礼を是非とも受け取って頂きたく思いこうして来ていただいた次第でございますわ。』
レイジ
『そ、そうですか。』
固まった体で何とかその台詞だけを絞り出す。
ヒリエ
『それで姫。
いったい彼にどのような物を送るつもりなのですか?』
そんなガチガチのレイジに代わってヒリエがルナに問い掛ける。
さっきから苦笑いをしてるあたりヒリエはレイジの状態を理解してるようだ。
その証拠に時々レイジと合う視線は申し訳なさそうだ。
原因は困ったお父さんであってヒリエが悪いわけじゃないのにそんな顔をする辺りにヒリエの人の良さが窺える。
ルナ
『え、えぇ。
その事なんですけれども…………』
そういったきり黙って俯いてしまう。
レイジ
『???』
その様子にレイジは眉をひそめた。
ルナは頬をポッと赤らめて両手の人差し指を豊満な胸の前でツンツン突き合わせて何やらもじもじしている。
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