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とりあえずルナと付き合うようになれば毎日生命の危険に晒される事は間違い無いようだ。
ここでずっと黙っているレイジに何か感じ取ったのかルナは不安そうに見上げて問い掛ける。
ルナ
『レイジ様?』
その表情たるや男ならそんな表情にさせてしまった事を土下座して謝りつくしそうな威力。
実際グリュートは娘にこの表情をされた時、朝から夜までずっと謝っていた事がある。
さて、レイジは謝りそうになる衝動を堪え決心する。
レイジにとって「王族」にはイヤな思い出しかない。
目の前の美しい少女は紛れも無いその「王族」だ。
少女には悪いがここは…
レイジ
(うん、逃げよう!)
断る決心ではなく逃げる決心だった。
普通に断ってもいいのだが果たしてあの国王がそれだけで放っておいてくれるだろうか?
先程のグリュートからの視線を思い出し、それは無いと思い直す。
娘の心を奪った不貞の輩を処刑せよ!となる確率はかなり高いと思われ。
ここで素直に断れば良かったと死ぬ程後悔するのは後の話。
レイジ
『すみませんが姫、しばしの間目を瞑っていただけませんでしょうか?』
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