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レイジはレイジで意味も分からず殺気立っている兵士(嫉妬に狂う男達)から逃げ惑いながら一つの可能性に行き着く。
グリュートが兵士に何か吹き込んだのではないか。
例えばだ、仮にレイジがルナを口説いたとしよう。
そう仮定して脳内でシュミレートしてみる。
さっさと逃げた方がいいだろうに。
もし、レイジが(他の男でも同じだろうが)ルナを口説けばあの父親はまず間違いなく『ウチの娘に手ぇ出してタダですむと思ってねェだろうな!殺す!』とキレるに違いない。
だが今回はそうではない。
言い寄って来たのはルナの方だ。
そこらへんを修正して再度シュミレートしてみる。
ルナ
『ワタクシと付き合って下さい』
レイジ
『ごめんなさい。』
グリュート
『テメェ!
ウチの娘の何が気に入らねぇんだゴラァッ!!
今すぐ50文字以内にして簡潔に述べてみろやっ!
殺す!』
レイジ
(………)
とりあえず『ヲイッ!』と脳内のグリュートにツッコミをいれておいた。
レイジの脳内シュミレートの結果、どうあっても命は無いらしい。
兵士達の殺気立ってる理由は実際は違うのだが命を狙っているという点は合ってるのでここでレイジが危機感を抱くのは間違っていないだろう。
ちらりと後ろを見る。
追ってくる兵士の誰もが瞳の内に殺意を燃やしているのが目に見える。
や(殺)る気満々である。
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