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逃亡者
とまぁ、そんな感じで城から逃げ出したレイジはまず自分が宿泊していた宿に寄り急いで自分の荷物をまとめて外に出る。
出て来た所にたまたま出くわした兵士の一人がレイジを見て『御用だ御用だ』となり。
逃げに逃げてそれから3日。
今の逃亡生活になり1ページ目の状態になったわけである。
逃亡から3日。
今や町中のいたる所にレイジの似顔絵が貼られその下には例外無くウォンテッドの文字。
最初は追手は兵士だけだったのだが2日目からだった。
追手の集団の中に兵士らしからぬ格好をした者も現れだしたのだ。
戦士に魔法使い、僧侶にレイジと同じ盗賊。
今回の件はギルドまで行き渡ったらしくレイジは今や国中の人間全てに終われる羽目になってしまった。
そして今、レイジは路地裏で人助けをした結果に人から追われる不運を『何でこんな事に』と半泣きで大いに嘆いていた。
こっそり覗く大通りには今も多くの人が飢えた肉食獣のようなギラついた目付きでレイジを捜している。
ちらりと壁に貼ってある自分の似顔絵に視線を移す。
ウォンテッドの文字の横、ひたすら0が並んだ一番左に1の文字。
もしも手に入れれば自分はおろか何代が後まで遊んで暮らせるような金額が表示してある。
この紙切れのせいでギルドや城の兵士ではない一般の人間さえも目をギラつかせてうろうろゾンビの様にうろついている有様である。
今や国中が仕事を放ったらかしてレイジを捜しているのだ。
大丈夫なのかこの国は?と思わざるをえない。
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