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《彼女》は己の住家でドッシリと腰を落としていた。
目の前の《食事》を喰いながら……ふと、過去を思い出していた。
昔は、家族でこの砂漠を仕切っていた。夫は普通よりも小柄で頭も良い方では無かったが、その力は中々のモノで、特に《突進》に関しては右に出る者はいなかった。
そんな夫や息子が死んでしばらく経つ。今では、私の治める領土はかなり小さくなってしまった。いゃ、私だけではない……他の生物も《奴》が来てから段々と領土が小さくなっている。
だが、もうどうでもよい。正直、生きる事に疲れた。だから、最後に……最後に、夫の亡骸を背負った小さな《狩人》と、また合間見えたい。
そう思いながら、白銀のモノブロスはゆっくりと目を閉じた。
━━━━━━━そんな夢を、マリアは見た。
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