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「やっと着きましたぁ」
意気揚々と船を降りた1人の美少女、足下にある荷物と背に背負った巨大な剣から彼女はハンターだとわかる。
しかし彼女の装備はまるでドレスの様なフワッとした感じに所々鎧が付いている……といった感じになっている。色もピンクと彼女のかわいらしい容姿にとても合っている。
その為か巨大な剣を背負っていながらも村人は何処かのお姫様かと目を見開いていた。
「ここが《ジャンボ村》ですかぁ~。良い所ですねぇ~。流石私のお姉様!」
ぼーっと何故か頬を染めながら村を眺める美少女に、村人の視線は釘付けになる。
「さて、取りあえずお姉様を探さなくては……ついでに、村長さんに滞在許可と狩猟許可を貰って……まぁ、酒場に行けば何かわかるでしょ」
そう言って彼女は意気揚々と酒場に向った。……何処かで凄まじい鳴き声がした気がしたが、浮かれた彼女には何一つ聞こえなかった。……最も彼女の浮かれ様は直ぐに消える事になるのだが。
「ここがジャンボ村か。う~ん、実に良い所じゃないか~。最もこの僕の魅力には全くかなわないけどぉ!」
と村の反対側から1人の男が歩いて来た。
大きく空いた胸の上着、ピチピチのズボン、大きな目の下にはかなり長い下まつ毛が生えている。
そんな彼の姿から彼がライトボウガンを背負ったとしても、明らかにモンスターの素材が入ったバックを持っていても、誰もハンターと思わない……むしろ目を合わせようとしない。
そんな事お構いなし……というかむしろ気付いて無い感じで男は目の前を通り過ぎ様とする村人(女)を無理矢理立止めてたずねる。
「へい!彼女~!う~んビュウティホォ~に美しいねぇ~。ところで村長さんは何処にいるか知らないか~い?それから
今晩、君は何してる?暇なら夜の雪山で……」
男が言い終わる前に村人(女)はスッと酒場の方を指し、早足で去っていった。確実に『キモ!何!?あの下まつ毛!!』と思われていたのだが……
「ふぅ……この村の娘は皆シャィガールだねぇ。やはり美しいのは罪……」
……まぁ、そんな事を言いながら彼は酒場えと……時々、村人(女)に声を掛け(ては引かれ)ながら……向かっていった。何処かで凄まじい鳴き声がした気がしたが、彼は自分に対するラブコールと思っていた。……最もこの物語で彼がモテる事など無いのだが。
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