ゆきのせい

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     2  ある日の事で御座います。  昼間とはいえ、冬真っ直中で御座いますから、相も変わらず凍てつく寒さでして、今日も粉雪がちらついて居ります。私にとっては最高の天気で御座いました。  今日もまた、玄関から駆け出す様に私の小さな創造の女神様が出て来られました。娘はいつもの様に全身ピンクの格好で御座います。可愛いですな。子供にとっては、こんな寒さもお構い無しなのでしょうな。  最近は毎日のように私を相手に御飯事をしてくれていたので、今日もまた遊んでくれるのだろうと思って居りました。  不思議なものですな。いつの間にか私は、娘と遊ぶのを待ち焦がれるように成って居りました。娘と遊ぶと言っても私は雪ダルマで御座いますから、只、娘の為すがままに突っ立って居る事しか出来ないので御座います。しかし、それでも私の心は娘と一緒に遊んで居るのですな。娘の愛らしい笑顔を見ると、私も笑顔になれる気がするのです。雪ダルマですので常に笑顔なのでは御座いますが、なんと言いましょうか、心の芯があたたかく成る。そんな感じで御座いました。  私はそんな気持ちで待っていたので御座いますが、娘は一向に玄関の前から動こうとしません。何故か、こちらを見つめながら首を傾げて居るので御座います。腕を組み出しまして何かを考えている御様子。  新しい遊びでも考えているのでしょうか。確かに毎日御飯事ばかりではマンネリでは御座いますな。  すると娘は何か思い付いたと言わんばかりに満面の笑みを浮かべました。そして小さな掌で地面の雪を掬い上げ、丸く固めていくので御座います。  何時か何処かで見た光景ですな。はて、何時の事でしたかな? ――ああ、確か私を御造りになった時も同じで御座いましたな。  
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