日常

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平日の正午近い 時間帯の電車は 通勤ラッシュなんて 関係なく空いている 乗客といえば お年寄り 母親に連れられた 幼い子供 営業に向かうのか 電車でうたた寝をする サラリーマン 学校が早く終わったのか 単に遅刻かサボりか 携帯電話を ひたすらいじっている 女子高生 窓の外からは 春の暖かい陽射しが 車内を照らしていた 『ママみてチョウチョ!!』 母親に連れられた 子供が俺の方を 指差して言った どこから 迷い込んだのか 一匹の蝶が 俺の方に止まった 車内に響きわたった 子供の声で 目の前の女子高生が さっきまで夢中だった 携帯の手を止め 俺の方を見て クスッと笑った 子供連れの母親は 険悪そうに俺を見て 蝶にたどり着こうとする 子供を静止した それもそうだろう 俺のルックスに 可愛らしい蝶が 肩に止まっているのは 絵的にもおかしい サングラス越しに見返すと 女子高生はすぐに 目を反らした 携帯バイブが鳴った
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