兎々の事情

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ひとつ突いては輝夜様のためー♪     ふたつ突いては永林様のためー♪             満月の度に突く餅つき、それは月の都から逃げてきた輝夜と永林の為の罪被りである     何故兎達が二人の為に餅を突くのかというと、兎達の長である「因幡てゐ」が自分達の住まいと安否を保障してくれる変わりに永遠亭で働き、侍従(従う)条件を呑んだからである。     そんでもって、そのてゐの上司が鈴仙・イナバ・優曇華院。彼女もまた月の都から逃げてきた者であり、月の妖怪兎である。     これがまた人遣い、ぃゃ、兎遣いの荒い兎で…地上の兎達は彼女の言う事を聞かない。まぁどちらにせよ、てゐが鈴仙に命令させられて、渋々(てゐも)仕事をさせられるワケです。             そんな日々がいつまでも続くので不満を持つ兎が出るワケでして...     中でも強いて不満を持ち力を持った妖怪兎、それがこの物語の主人公でもある「因幡みなぎ」なのである。     彼女は普通の兎達とは異なり、てゐ同様長生きの末、力を持った妖怪兎である。     能力は「嘘を誠にする程度の能力」 名前の通り、嘘を本当にしてしまう恐ろしい能力。     しかし、彼女自身の妖力が弱い為、強い力は発揮できず、些細な嘘しか誠にできない。     だが、彼女とてゐが組むと話は別。てゐのペテン能力とみなぎの力を合わせると大抵の妖怪は困惑と恐怖と絶望と安心と…意味のわからない状態になる(笑)         そんなこんなで、みなぎはてゐとイタズラをして過していたのだが…あの三人が来て以来イタズラして遊ぶ機会がめっきり減った。     そこで、みなぎはてゐと地上の兎達を永遠亭から引き離しを企む...
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