二章

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「いえ、あなたが死んだということです。」 「しかし、儂はこうして生きている。」 「はい。私もこうして生きています。」 まるで禅問答、あまりに理解できず信長は首を捻るばかりである。 「あなたは何を望まれましたか?」 しばしの沈黙のあと涼やかな声が問いかけた。 「大陸と日の本の統一……」 「なるほど。あなたらしい。」 あくまでも冷静に涼やかな声が話す。続けて 「私は……大軍師との邂逅(カイコウ)を願いました。」 「大軍師……お主が言うのであれば諸葛亮(ショカツリョウ)か?」 「はい。」 信長は理解した。いや理解せざるを得なかった。
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