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「孔桂が?」
「うむ。どうも丁儀や楊俊らと上杉が繋がっているらしいのだ」
「なんと!敵と御曹司の側近らが?」
「楊俊と孔桂が昨夜上杉の本陣へと向かったらしい。そこで上杉に協力し司馬懿殿を追い落とすべく企んでいるとのことだ」
「曹植様の後継のためにはなりふり構わぬのか」
「それであるゆえ、一先ずは貴殿ら前線の者を救わねばと取り急ぎやって参ったのだ」
「ありがとうございます。おかげで命拾いしました。ついでで申し訳ないですが郝昭という者が取り残されておるゆえ救助に助力頂けませぬか?」
「よし、すぐに参ろう。郝昭を救ったら丁儀らを呼び付けて話をせねばな」
曹彰はそう言うとすぐに郝昭の捜索と救援に兵を割いた。
郝昭軍はすぐに見つかり、曹彰自身が敵をなぎ倒して見事に救出した。
郝昭は疲労困憊ながらも目は力を失うことなく、命にも別状はないが、念のため後方へと下げられて行った。
さらに曹彰は近場の上杉残党を掃討し、再度司馬孚と合流し、すぐさま丁儀、丁廙、楊俊、孔桂を呼び出した。
「これはこれは曹彰様、お呼びであるとか」
「丁儀、丁廙、楊俊。なぜ呼ばれたか心当たりはないか?」
「さあ?行軍が遅く、上杉の側面を攻撃できかったことでしょうか?」
「攻撃できなかった?攻撃する気がなかった、のではないか?」
「何を仰せか。我ら文官に兵を動かせと言うのは度台難しい話ゆえ……」
「孔桂」
「はっ」
「私に話したことをその三人にも教えてやれ」
このやり取りで丁兄弟の顔つきが変わった。
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