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とはいえ、郝昭はとても動けるような容態ではないし、朱霊・夏侯覇・呂虔・孫礼などの将たちも賈詡の指揮の下、皆配置についている。
それでも曹彰軍の抜けた穴は大きい。
「張遼殿や夏侯淵殿を失ったのは痛いな。梁習や田疇の扇動した異民族を待つよりないか」
司馬懿は不確定要素に頼らざるを得ない戦術を組み立てねばならないことに気が乗らなかったが致し方ない。
と、そこへ来客が訪れる。
「司馬懿殿。父の仇を討ちたい。どうか我らにも戦わせてくだされ」
張虎と程武であった。しばらく張遼が生きている体を装っていたが、夏侯淵も死に、氏郷も寝返り、もはや不要であると戻ってきたのだった。
「おお、これは助かる。おそらくここが最後の戦いだ。二人共暴れて父君の仇討ちをなされよ」
司馬懿がほくそ笑む。張虎や程武の将としての質は張遼ほどの期待はできないが、その麾下の張遼軍の兵たちは精鋭中の精鋭である。
不足している手を補える、とまでは言い難いがそれでも有力な駒が手元に来たのは大きい。
「貴君らの軍勢はこの戦の大きな鍵となろう。私の下にて指示を待たれよ」
司馬懿の言葉に若いニ将は発奮して喜んだ。
「さあ、上杉、武田、織田連合軍を追い払うとしよう」
「これはこれは見事な布陣ですな」
氏郷と沮鵠と昌信が高台に上がり眼下を見下ろす。
中央後方に本陣の賈詡。その左右には典満、許儀。本陣の前には先陣の朱霊、その左右に呂虔、孫礼が横陣を敷いている。
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