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周瑜は疑いの眼差しをあからさまに動揺している光秀から外さない。
「信長という男、私が知っております」
光秀の後ろから高らかに響く声に誰もが注視した。
「秀満!」
光秀は振り向き様に秀満を怒鳴りつけた。
だが介さず、秀満が言を続ける。
「その者は、倭国において己を魔王と称し、天下万民の肝胆を寒からしめた男です。私と利三も彼の配下でありました」
「ほう、魔王と」
興味深げに周瑜がつぶやく。
「はっ。ですが配下の謀叛により、命を絶ったはずなのですが、生き長らえて大陸へとたどり着いたのでしょう」
「なるほどな、してどのような人物か?」
「冷酷無比で合理的。ですが政治、戦略共に秀でており、英雄と呼ばれる類」
「冷酷無比であるが合理的か。まるで噂に聞く曹操と同様ではないか。そのような人物が曹操に……危険だな」
光秀はうつむき声を発せず、利三もどのように対すれば良いのかわからず、ただ突っ立ったままであった。
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